初めてエネルギー体理論による素粒子模型を知った人は、現代物理学の最高到達点である“場の量子論”とは全く異なる理論であると感じられるのではないかと思います。それは、場の量子論は、素粒子と場の明確なイメージを持たないのに対して、エネルギー体理論では、明確なイメージと公理(共通「2公理」参照)に基づいて理論を構成しているためです。しかし、よく吟味してみると、この2つの理論は、非常に近い理論である事が分かります。
物理学の歴史の中で、“場”と“素粒子”は別の概念として取り扱われてきました。
ところが、“場の量子論”では、素粒子と場を一体的に取り扱います。場は粒子と一体になった空間の性質と捉え、基本的に素粒子の半径を無限小として扱い、力を伝える粒子(ゲージ粒子)を別に想定するのです。そして、力はゲージ粒子によって伝えられるとするのです。例えば、電子が動くと電磁波を発生します。これを、電子のエネルギーを、力を伝える粒子であるフォトンとして電磁波が力を伝搬するからであると捉えます。(Wikipedia 場の量子論参考)
場の量子論は、イメージを持たないため、イメージ図を作るのは適切ではないかもしれませんが、敢えて「場は粒子の形をし、粒子は場の形をし(Wikipedia 場の量子論参考)」の説明をイメージ化してみたのが、次の図です。
図21
更に、「粒子は場の力を伝える媒体となる。(ただし、粒子と場の力を伝える粒子は異なる。)(Wikipedia 場の量子論)参考」の部分をイメージ化してみたのが、次の図です。
図22
一方、エネルギー体理論による素粒子の模型を見てみましょう。エネルギー体の波(振動)が自軸を中心に回転していて、高エネルギーの中心部から減衰しながら裾野部が広がっている。中心の粒子部が素粒子の性質、裾野部が場の性質を表す。
図23
更に、静的エネルギー体に生じた波動としての電子の運動エネルギーが、電子の姿勢とスピンを写したまま電子から離れたものが、電磁波(光)であると説明します。(次図)
図24
「場の量子論」のイメージ図と「エネルギー体の素粒子模型」は、非常に似通っていることに驚きます。
(※ この驚きは、場の量子論も、素粒子の波動性と粒子性の二重性も知らなかった私が重力の考察により考えだした素粒子模型が、現代物理学の最先端である場の量子論に、非常に似ていることに対するものです。ただし、エネルギー体の素粒子模型は、重力の考案過程から出たアイデアであるという経緯から、重力を始め宇宙にまで拡張出来る概念です。)
エネルギー体理論は、場も素粒子もエネルギー体として一体的に取り扱いますが、場の性格と粒子の性格そして空間を明確にしています。そのため、「電子が動くと電磁波を発生する現象」を、静的エネルギー体に生じた波動としての電子の運動エネルギーが、電子の姿勢とスピンを写したまま電子から離れたものと捉えます。電子から離れた電子の運動エネルギーは、電子の姿を写した電磁波として進行する事になります。
エネルギー体理論では、相互作用は、素粒子の回転する波の方向によるエネルギーレベルの上昇と下降により引き起こされると考えます。言わば、場の量子論(ゲージ理論)では、力を伝えるゲージ粒子を想定するため、力は間接的な作用として捉えていると言えます。一方、エネルギー体理論では直接的な作用として捉えていると言えます。
つまり、仮想粒子が存在することを想定すると、実験値が正確に計算できると言うことだろうと思います。これに対し、エネルギー体理論では、力は、エネルギー体の系間のエネルギーレベルの差によって引き起こされるとします。そのため、エネルギー体理論では、力は直接作用するとするので、ゲージ理論の様に仮想粒子を想定して力が間接的に伝わると考える必要がありません。
これは、空間と素粒子が同じエネルギー体としているので出来る考え方です。同じ現象を、光子が力を伝えると見るか、力によって光子が生成されたと見るかの違いです。このため、質量がゼロである点、光速度不変の原理、電磁波の形態など非常によくマッチします。“場”は、“素粒子の一部である”と理解したことにより、エネルギー体模型が出来ました。